痛いとこもつかれた。


――『楽しんで描けましたか?』



楽しんで描けてないことを見破られるなんて、小林さん的に『面白くない』って言いたかったに違いない。



頭を壁に何度もぶつけて、ひたすら考えた。考えて、考えて……



「杏さん、夕食はどうなさいますか?」


「いらない。今夜は出かける」


「送り迎え致します」


「今晩は帰らないから必要ない」



皆吉は明らかにいつもと違う私の風貌を見ても、それに触れてこようとしない。逆に有難いけどね。