描き直しって……


「ボツってことですか?」


『うん。設定もヤンキーの男女って……読者は共感しにくいよね? せめてヒロインだけは普通の学生のほうがいい』


「……分かりました。設定もストーリーもイチから練り直します」



電話を切って、ネームをシュレッダーにかけた。


「くそ――!! 悔しいっ!!」



聡一達を土台にして、ギャップとキュンポイントを全て盛り込んだのにっ!



「リアルな恋愛って何だよ!?」



実体験なんて言われても、経験ないし。だけど悔しいから絶対に小林さんには言わない。自分で何とかしてやる!