『増刊に載った読み切りなんだけど、アンケート結果いまいちだったんだよね』



担当、小林(既婚者、男、28歳)からの電話。朝イチから胸くそ悪い内容の電話だな。



「小林さんもネームオッケー出したじゃないですか」


『うん、杏先生は画力の高さは文句なし。やっぱり難点はストーリーが……』



は?答えになってないし!お前がネームオッケー出したんだろって言ってるのに!



『原作つきで描いてみる気はない?』


「ありません。原稿料も印税も半分になるじゃないですか」


『ははっ、まだコミックも出てないのに印税なんて』


「小林さん! 私は連載作家に絶対になりたいんです。はっきり言って下さい。私のストーリーに足りないものって何ですか?」