長谷部 聡一(そういち)14歳。私の弟。小学生までは優等生だったのに、実家の病院を継がせるためにババアからとんでもない勉強量を強要させられてついにキレた。そして非行の道に……
我が弟ながらよくやったと誉めてやった。自分の将来は自分のものだ。親のためじゃない。
原付きの後ろには彼女も乗っていた。原付きって二人乗りダメじゃなかった?そもそも聡一は免許持ってた?ま、どうでもいいけど。
「ほら、緑茶」
「お、サンキュー。皆吉にお茶淹れさせるから飲んでけば?」
私の好きな飲み物。緑茶のパックをスーパーの袋ごと渡されてテンションがあがる。やっぱり弟はかわいい。