しかし、あかりにはこの状況に焦りを感じていた。



「ねぇ、アヤトぉ?
なんでゴム付けないの?」


アヤトとの情事の後、あかりはそう言った。

そう。

彼氏であるアヤトとの関係、だ。


門脇アヤトは、一緒の高校の違うクラスにいる、高校1年生。


「付き合って下さい」

半年前、あかりがアヤトに告白をし、付き合うようになった。


アヤトは、地方からこの大都会に一人でやって来て、一人で暮らしていた。

話によると、親は地方では有名な会社の上層部にいる偉い人、らしい。

それでも、高層マンションに住んでいないのは、「親の方針」。



アヤトは、あかりの問い掛けに


「ん〜?だって、俺早くパパになりたいし。
バイトもしてるし、あかりだったら大丈夫だと思ってるから、さ。
早く結婚したいんだもん」

「そっかぁ〜!!だよね、私も早くアヤトと結婚したいよぉ」

なんて言う話をいつもしていた。

それも会う度に、だ。