「小さい頃は広い団地って思ったけど……、以外と狭いな……。『ブロー』(ショッピングセンターの名前)もできて賑やかにはなったけど…。」 浩二は静かに目を閉じた。 「俺……、本当に……、どうして……、解らなくなったんだろう。」 先日の福永の問い掛けを思い出していた浩二が独り言を呟いた時、電車は、スピードを落とした。 秋畑駅が近づいていたのだ。