「あっ、悪い…。」 福永が手を離すと、 「何が分かってるだよ。ジェラシー剥き出しじゃん。汐莉もいつからいたんだよ…、こんなくだらない悪戯して…。」 と、福永と汐莉を睨みつけた後、撮影している校庭の隅に向かった。 「いつから?」 残された福永は汐莉を見た。 「気付いていないんだ…役作りしだした理由…。」 汐莉のその独り言が答だった。