汐莉に見つめられ、浩二は天を仰いだ。 「叶わない恋よりは、次の恋だぞ。」 そんな浩二に、福永は声をかけたのだった。 「やっぱり…だめ?」 しばらくの沈黙の後、汐莉が問うと、 「痛いんだ…、あの時の涙が…さ。」 浩二は、独り言を言うように答えた。