「汐莉、子供の頃の話だろ?」 「そうね。」 福永に舌を出して笑ってみせた後、 「私はこうちゃんに捨てられた女ってわけ。もちろん、こうちゃんにその気がなくてもね。だから当然、こうちゃんを盗った女の代わりなんかしたくないって思ったわけ。」 と、話を続けた。