Rose of blood

『着いてからのお楽しみだ』



シエルは笑って瑠花に答え一度馬からおりると、瑠花を馬の上に乗せた。



「馬に乗ったのなんていつぶりだろう。この子は何て言う名前なの?」

『デュオだよ』

「デュオ、私は瑠花。今日は宜しくね」



デュオを優しく撫でながら挨拶をしている。


シエルも馬に乗り、『帰るまで城を頼む』と言い残し湖に行ってしまった。



『あんなにお優しい顔をしたシエル様を見たのは初めてです』



団長のエルグラムが驚いたように言う。



『シエルがあんなに優しいのは瑠花にだけだよ』



ローズは人前に出る事を好まなかったから、シエルのあんな顔を知っている者は少ない。