「セリアル様、入り口までお声が駄々洩れでございますよ」

『……アマンダさん』

「シエル様、私も少し父と話をしても宜しいでしょうか?」

『あぁ、構わないよ』

「ありがとうございます」



アマンダはアルファナ卿の前に立ち、目線を合わせるようにその場に座り込んだ。


手に柔らかい感触があたり、横を向くとローズが立っていた。


俺の顔を見るなり、大丈夫と言わんばかりの笑顔を向ける。


俺はローズの手を握り、再び牢へと目線を戻した。



「お父様のこの様なお姿、出来れば見たくありませんでした」

『アマンダ私は無実だよ!!おまえなら私を信じてくれるね?』

「私は、どちらを信じれば宜しいですか?」

『何を言っているんだ!?』

「お父様の愛する娘は誰です?」

『私の愛する娘はアマンダだけに決まっているだろう!!』