セリアルがアイシャと共に牢へやってきた。


アイシャの姿を見てアルファナ卿はいささか驚いているようだ。


無理もない、死んだと思っていただろうからな。



「お父様、もうご自分の罪を認めて下さいませ」

『父だと?何を言う。私にはアマンダという娘しかおらん』

「ッッ!?」

『アルファナさん!!本気でそんな事を言っているんですかッッ!?』

『本気ですとも』



涙を流すまいと必死に堪えているアイシャ。


こんなアイシャの顔を見ても、平然とした態度をとるアルファナ卿を見て救いようがない男だと思った。


セリアルがこんなに怒りを露にしたのは初めてだ。



『アイシャは酷く苦しんだんだ!!あなたのせいでッッ!!』

『全てその娘の出任せではございませんか?』

『あなたって人ッッ……アイシャ?』

「もういい……もういいの……ありがとう……」



アイシャはセリアルの肩に手を置き、目に涙を溜めながらも無理に笑顔を作りセリアルの言葉を制した。


セリアルはそんなアイシャを優しく、壊れ物を扱うように抱きしめた。