Rose of blood

アイシャの涙が零れ落ち、どんどんドレスの色が変わっていく。


その涙を拭いながらセリアルは穏やかな声で話し始めた。



『時間が経たないと、何が良かったかなんて今は分からないよ』

「えっ……?」

『もしアマンダさんに話したことが間違いだったと分かったら、その時またどうするか一緒に考えよう?』

「……セリアル」



セリアルは安心させるように柔らかい顔をアイシャに向けた。



「シエル様、私ッッごめんなさい……」

『いい、気にするな』



泣きながら謝るアイシャを優しく抱きしめるセリアルの後姿は、男らしくとても逞しく見えた。


私とシエルは2人の邪魔をしないように静かに部屋を後にした。


ラキにもここは大丈夫だからと自分の持ち場に戻ってもらった。