Rose of blood

医務室のドアをノックし中に入ると、涙を流しながらアマンダの手を握っているアイシャの姿があった。


その隣にはアイシャの肩を抱き、落ち着かせるようにさすっているセリアル。



「ローズ様」

「ラキ……」

「私部屋の外におりますので、何かございましたらお呼び下さいませ」

「えぇ、ありがとう」



私とシエルが近づくと、アイシャが口を開いた。



「途中から……酷く興奮して、何を言っても聞いてくれなくなったの。落ち着かせようと近寄ると、暴れてッッ……こんなアマンダ姉様を見たのは初め、てでッッ私……」

「アイシャ……」

「知らない方がッッ隠し通してあげた方がッッ幸せだったかもしれない!!」

『それは違う。真実を知らないまま笑って生きていても、いつどこで真実を知ってしまうか分からない。そうなった時、ショックと同時に信頼していた者からの嘘、疎外感色んな感情がアマンダを襲うだろう』

「でもッッ!!そうならないかもしれませんッッ!!」



シエルの言葉に涙ながらに言葉を返すアイシャを見てとても心が痛んだ。