Rose of blood

部屋に入ると、心臓を剣で貫かれ壁に張り付けになっている男が目に飛び込んできた。


ドアを入ってすぐ横にはローズが下を向き座り込んでいた。


膝の上には知らない男が横になっている。



『ローズッッ!!』

「……シ、エル?」



顔を上げ俺の名を呼ぶローズは涙で顔を濡らし、今にも壊れてしまいそうだった。



『無事で良かった』



俺は膝をつき、泣き続けているローズをそっと抱きしめた。


ローズは俺の胸に顔を当て、子供の様に声を出して泣いた。