Rose of blood

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「今の声……」

『ローズの声だッッ!!』



俺たちはローズの声のした方へ急いだ。


叫び声のようだった。


ローズの身に何かあったのかもしれない。


最悪の事態が頭を過る。



『シエル、少し力を抑えろ。気付いた奴がこちらに来てしまったら厄介だ』

『あぁ』



怒りと焦りで無意識のうちに力を放出してしまっていた。


ドアが開けっ放しになっている部屋から愛しいローズの気配を感じた。


ローズ以外の気配は感じられない。


だが念のため俺たちは気配をたち部屋の中へと足を踏み入れた。