Rose of blood

治癒能力を使おうとするが、力が出ない。


何度試しても結果は同じだった。


こんな時に使えないなんてッッ!!



『なぁ……ひ、ざ枕……してくれないか』

「……ひざ、まくら?」

『あぁ』



私はゆっくりとカインの体を寝かせ、頭を膝の上にのせた。


金色と銀色の目が私の目を捉える。


今まで見たことがないくらい、優しい顔をしているカインを見て涙が零れた。



『何故、泣い……ている』

「……分からない」

『相……変わらず、変な奴……だな』

「お互い様でしょう」

『……そ、うだな』



目を閉じて喋るカインの声は今にも消えてしまいそうだった。


私は必死に助ける方法を考えた。


カインを助けたい。