Rose of blood

私は驚いて思わず目を瞑ってしまった。


凄まじい程のレイドの気配が一瞬にして消えてしまった。


ゆっくり目を開けると、心臓を一突きにされ壁に張り付けにされたレイドの姿が見えた。



『怪我はないか?』

「……カ、イン?」



私の体を優しく包み込んでくれたのはカインだった。


カインの体がどんどん湿っていく。



「ど、う……して……」

『それは俺の台詞だ。何故戻って来た』

「そんなことより早く止血しなきゃッッ!!」



離れようとしたら、カインが腕に力を入れ離してくれなかった。



「力を入れないで!!余計出血してしまう」

『もう……俺は、助からない』

「な、に……言ってるの!?」

『レイドの攻撃が……心臓まで、達している』

「そんな……ッッ」