Rose of blood

レイドは体中から凄まじい力を放出させこちらに体を向けた。


いくら混血といってもレイドは純血に近いほどの力を持っている。


それに今の私では力が使えない上に、お腹に子供がいる為満足に動くことも出来ない。


私が一歩後ろに下がると、レイドは歪んだ様に口角を上げ笑った。



『純血の姫が混血のバンパイアを恐れているのか?』

「笑わせないで。あなたに恐怖を感じるなどありえない」

『可愛げのない女だ』

「結構よ」



あと5歩も進めばこの部屋から出られる。


このままここにいても殺される。


運に委ねるしかない。



『心配するな。心臓を一突きにした後体中の血を吸ってやる。暴れられてはやっかいだからな』



部屋を出ようと後ろを向いた瞬間、誰かに体を包み込まれた。