Rose of blood

「アイシャ行きましょう」



手を握り部屋を出ようとするがアイシャの足は動かない。


体も微かに震えている。



『そんな女放っておけ』

「嫌よッッ!!アイシャ!!お願い!!カインはもうあなたに何もしないわ」



私の声が聞こえていないみたいだ。


私はアイシャの頬を引っ叩いた。


正気に戻ったのか、私と目を合わせるアイシャ。



「……ローズ」

「引っ叩いたりしてごめん。動ける?」

「……うん、大丈夫」



いきなり体を持ち上げられ驚き上を向くと、直ぐ近くにはカインの顔があった。



「何するの!?」

『腹に子供がいるのに走れるのか』



カインの言うとおりだ。


この状況だと私が一番足手まとい。


私はおとなしくカインの首に腕を回し、落ちないように掴まった。