Rose of blood

アイシャの部屋に入ると、アイシャは部屋の小窓から外を眺めていた。



「どうしたの?」

「……胸騒ぎがするの」

「きっと気のせいよ。遅くなってしまったけど夕食にしましょう」



振り向きこちらに歩いてくるアイシャの顔色は少し悪かった。



「食欲ないの?」

「……うん」

「無理して食べなくていいから、食べられる分だけ食べてね」



頷くアイシャの瞳は不安そうだ。


屋敷の中がばたついている事を心配しているんだろうか。



「悪いことが起きる前は……いつもこんな胸騒ぎが起きるの……」

「それは、自分にとって悪いこと?」

「自分のこともそうだけど、周りも含めてよ」



少し予知能力が具わっているのかもしれない。