Rose of blood

ザックと2人で絨毯の敷かれた廊下を静かに歩く。


ここで生活するようになって、この廊下を誰かと並んで歩くのは初めて。



「ねぇザック、今この屋敷で何が起こっているの?」

『さぁ……分かりません。自分の任務意外は皆何をしているのか知らないんですよ』

「それって組織と呼べるの?」

『あはは、そうですね。でも僕はキングを信じていますから』



ザックのこの言葉を聞いたら、カインは喜ぶんだろうか。


今の彼の心になら届きそうな気がした。



「その言葉、彼に直接言ったら喜ぶんじゃない?」

『僕みたいな下っ端がキングに話しかけるなんてとんでもないです!!』



こうやって組織の者が近寄らないから、知らないうちに彼はどんどん孤独の闇に入り込んでしまったのかもしれない。


周りとの間に分厚い壁を作ってしまっているカインにも問題はあると思うけれど。