Rose of blood

『んな顔すんな。今日は屋敷の中がばたついてるからよ、あの嬢ちゃんが怯えねぇようついててやってくれ』

「……はい」



ジオラさんはいつもの明るい笑顔だったが、こちらからこれ以上質問をさせてくれないような雰囲気を醸し出され、私は何も聞けなかった。


ある程度自由にさせてもらってはいるけど、私は部外者であり人質という立場。


言えないことぐらいたくさんあるよね。



『ザック、ローズを嬢ちゃんの部屋まで送ってってくれ』

『分かりました』

「大丈夫ですよ!!いつも一人で行ってますから」

『みんな忙しいのに暇してるザックに何か仕事をさせてやれ』

『ジオラさん酷いですよぉ!!』



ジオラさんの言葉に納得はしていないが、私は部屋までザックに送ってもらうことにした。


これじゃあこの屋敷の中も危ないって言ってるも同然だわ。