血の匂いがする方へと足を進めていくと、真っ赤に塗られた木でできているドアの前にたどり着いた。


少し躊躇ったが、私はドアを3回軽く叩いた。


中からは何の反応もない。



「あ、あの……どなたかいらっしゃいますか?」



声をかけても返事はない。


血の残り香が隙間から漏れているだけで、中にはもう誰もいないのかもしれない。


居るとすれば声も出せないほど深傷をおっているのかもしれない……。


ドアノブに手をかけ動かすと、鍵はかかっていなかった。


開いてる……。



「入りますよ」



やはり返事はなかったが、私はドアを開き部屋の中に足を踏み入れた。