Rose of blood

ゼスさんが私を庇うように前に立ち、腰にさしている剣を引き抜いた。



「ウッッッ……ッッ」



男がラキの首を掴んでいる手に力をいれている。



「止めてッッ!!ラキに乱暴しないでッッ!!」

『ではそいつに剣を捨てさせろ』



ラキを掴んでいる男ではなく、私たちの目の前にいるこの男の方が偉いようだ。



「ゼスさん、彼の言う通りに」



私の声は聞こえているはずなのに剣を捨てようとしないゼスさん。



「ゼスさんッッ!!」

「ッッなりま、せんッッッ!!」



ラキ?


何言ってるのよッッ!!