ジョシュお兄様は目頭に指をあて、険しい顔をして目を瞑っている。


大事な事を考える時のお兄様の昔からの癖。


お父様もそうだった。



『……今回の件が落ち着いたらサルエラの再建の話を進めていこう』

「ジョシュお兄様……ありがとう」



目は力強いが、とても柔らかく微笑み承諾してくれた。



『国王様とシエルにも相談しなければな』

「お二人に?」

『あぁ、サルエラの生き残った民をすぐに快く受け入れてくれたんだよ』



良かった……生き残った民はこの国でちゃんと生活しているのね。


落ち着いたらお詫びをしに城下町へ行こう。


許してもらえないだろうけど謝りたい。


国と民を守る事が出来なかった事を……。