窓は一つもなく物音もしない。


私の気配がシエルにばれないように、部屋の周りには結界をはってくれている。


ッッ!?


鼓動がどんどん速さを増していく……苦しい……ッッ。


お願いだからもう少しだけ……もう少しだけ頑張って。



「ハァ……ハァッッ……」



私はグラスに水を注ぎ口の中へ流し込んだ。


水では喉の渇きは癒えないけれど、何か喉を通さなければ落ち着かない。


コンコンコンッッ。


突然ドアをノックされ、心臓が跳び跳ねる。


……誰!?