ここはお城の地下にある一室。


どんなに汚い部屋でもいいと言ったのに、部屋は贅沢なほど豪華な作りだった。



「国王様……」



国王様の優しい気遣いに、我慢していた涙がどんどん溢れ落ちる。


私は立っていられずその場に崩れ落ち、両手で顔を覆った。


私の二つ目の……最後のお願い。


それはシエルとアマンダさんの結婚を見届けること。


辛い選択だということは重々承知している。


でも、そうでもしなければ諦める事ができないと思った。


未練と後悔を残してしまうと思った。