朝方で誰もいない廊下を静かに歩いた。


国王様のお部屋の大きな扉をノックする。



『入りなさい』



扉を開け中に入ると、王妃様も国王様の隣に立っていた。



「失礼致します。王妃様、ご挨拶をしてもあまり意味はないかもしれませんが……柊瑠花と申します」

「意味の無いことなどありませんよ、瑠花さん」


笑った顔がセリアルに似ていて思わず涙が出そうになった。



『心の整理はついたかね?』

「はい……国王様がお時間を下さいましたから」



私は国王様と王妃様に微笑んだ。