本当は一人では心細いのに、自分で涙を拭い無理して笑う瑠花に心が痛んだ。



『兄様に送ってもらいなよ。兄様もまだ仕事残ってるみたいだしさ』

「でも……」

『瑠花暗いところ苦手でしょ?また迷子になって泣くことになっちゃうよ?』

「……セリアル」



いつものように明るく穏やかな声でそう提案してくれたセリアルの言葉に助けられたな。



『ジョシュ、俺は先に仕事に戻る』

『あぁ、分かった』



せリアルに視線を向け笑みを見せると、笑顔で手をふってきた。


本当に可愛い弟だよ。


俺は瑠花の手をひき来賓客でざわつく会場を後にした。