Rose of blood

「どうして……私をこの世界へ連れてきたの?」

『もう気付いてるはずだよ。君は元々はこの世界の住人だ』



そう、この人の言う通り私はこの世界の住人だ。



「貴方は全て知ってるのね」

『全てではないよ。君のことだけだ』



まだ記憶が曖昧でこの人との関係がよく分からない。



「お礼を言うわ……シエルに会わせてくれてありがとう」

『勘違いしないでほしい。私の傍に置いておきたくてここに呼び戻したんだよ』

「私は貴方のものになるつもりはない」

『シエルに本当の事を言えないのに?』



ジェイドは喉を鳴らし可笑しそうに笑を溢した。