Rose of blood

だんだん影が近付いてくる。


怖い……。


シエル……ッッ!!



『こんなところを一人で夜に彷徨いていたら危ないよ』



………この声。



声を聞いて更に恐怖が増していく。


鏡に映った人と同じ声……。



「いやッッ……来ないで!!」



その人は私の目の前に立ち目を細め微笑んだ。



『やっと会えたね』



知っている顔だった。


夢に出てきた男の人。



「……ジェイド」

『嬉しいな。私のことを思い出してくれたの?』



私をこの世界へ連れてきたことに対して、悪びれた様子はない。