Rose of blood

温室に着くと明かりが点いていないから真っ暗だった。


何か灯りになるような物くらい持ってくればよかった……。


まぁどうにかなるだろうと思い、手探りで温室の中を進んだ。


明るい時はあんなに綺麗で落ち着くのに、今は怖くて早くここを出たい衝動にかられている。


やっとテーブルにたどり着き、私はホッと一息ついた。



「あった……良かったぁ」



私はブレスレットを身に付け出口へ向かった。


この暗闇にもだいぶ目が慣れてきた。


んっ!?


誰か……いる?


出口の近くに誰か立っているように見える。


まさか……お化け!?


ど、どうしよう……。


怖くて体が固まってしまった。