(山中光太郎さんか!?…一体、どんな人物だったのか!?

……幼なじみに『山中光太郎』という同姓同名の奴がいるが…当然、無関係だろうし

……山中家も現存しているんだからこの最後の『英治』という人も生きているわけだ…一体、どこにいるんだろう!?)                 
最近は入試の事で頭が一杯で『巻き物』や日本刀関連は一つの夢物語に過ぎないのではないか、と考えるようにもなっていた。                                                                           
(さてもう一踏張りするかな!?…その前に携帯をチエックと…)                  
メールが来ている事を確認する。                                 
(赤沢からだ!…元旦に『不知火神社』に初詣に行こう、か!?あいつも進路決まったから楽だろうなあ!?)                                 
外はここ数年来の大雪で夜は『深々(しんしん)』と更けて行く。                                                                                                                              


「葵〜っ!赤沢君よ〜っ!」                       
クリスマスイブもクリスマスも当然の如く何事もなく過ぎ、新年を迎えていた。                        
「今行くから上がって待っててもらってえ〜っ!」                         
身だしなみを整え、白のダウンジャケットを着込んで部屋を出る。                                                                              
一階に降りて行くと笑い声が聞こえて来る。

(あれっ、赤沢の声じゃないぞ!誰だろう?)                                       
リビングを覗く。