「そう!?分かる範囲では…!?」
「そうねぇ、『この世とあの世の間』って事は『三途の川』のことかも!?つまり、死んだけど死に切れていないみたいな……
後半は『どうしてそうなったのかを考えなさい』…
違うかしら…!?」
「美優にも見せて?」
祖母から紙を受け取り懸命に読んでいる。
「全然、分かんない」
匙を投げ、紙を祖母に手渡すと更に食事を続ける。
「これぐらいしか分からないわ」
「いや、大丈夫。ありがとう」
『ガラガラ!』
祖父が外から戻って来る。
「葵!少し多いけどお祖父ちゃん達が作った野菜持って帰れ!」
「うん」
「駅まで美佐枝(葵の母親)さんに車で迎えに来てもらうと良いだろう!?」
「後で電話しておくよ」
『トゥルルルルルーッ……』
発車のベルが鳴り出す。祖父母がホームまで見送りに来てくれていた。
「じゃあ、またおいで」
美優と祖母は抱き合って別れを惜しんでいる。
「葵!己の信じる道を突き進め!そうすればやりたい事も見つかるだろう!?」
「分かったよ、お祖父ちゃん!…美優、ドアが閉まるぞ!」
慌てて美優が電車に飛び乗るとドアは『プシューッ』と音を立て、見送る者と見送られる者の間に境を作る。