彼岸と此岸の狭間にて

「父さん…」                  
「ん!?」                   
「父さんはうちのご先祖様の事何か知ってる?」              
「何だ、藪から棒に…」             
読んでいた新聞をたたんで木目のテーブルの上に置きコーヒーを一口啜(すす)る。                     
「お父さんのお祖父ちゃんは明治政府の役人だったぐらいしか聞いた事がないなあ…」                     
「ひいお祖父ちゃんとは話した事がないの?」               
「お父さんが5才の時に亡くなっているから…」                   
「そうかあ……お祖父ちゃんなら何か知っているかな?」

「父さんか!?そうだなあ、父さんよりは知っているだろう!?」                                           

「……決めた!!お祖父ちゃんに聞いて来る」               
「父さんの家に行くのか?」

「うん…」                   


「何何?」                   
美優がリビングに表れる。                  
「お祖父ちゃんにちに行くの?…美優も行く!」               
「遊びに行くんじゃないぞ!」

「良いじゃん、別に…邪魔しないから…ねっ!?」                         


「お父さんの所行くの?」            
今度は母親が表れる。              
「だったら持って行って欲しい物があるのよ。宅配便代浮くし…」               
(全くこの親は…)               
「で、いつ行くの?」              
母親と美優がユニぞって(*)言う。        
(*)ユニぞって…一緒になって                       
(全くこの親子は…)              
「来週の土曜日辺り…」