会長の言葉を聞きながらミツルはリング中央に、へなへなと崩れ落ちると訴える様にこう言った。

「か…階級上げて下さい…」

勿論、その後、会長の愛の鞭が飛んだのは、言うまでも無い。

★☆★☆★☆

ミツルは会長の家に泊まり込みでトレーニングを行っていた。

試合は２週間後、あと１勝でＢ級のライセンスがとれるので、今回の試合には絶対負ける訳に行かない背水の陣なのだ。

それに、この食い意地が張ったミツルは、ほっといたら絶対に減量なんかする訳が無いと会長は決めつけ半ば拉致に近い状態でトレーニングさせていたのだった。