なんで話したのだろう。
お姉ちゃんを泣かせて。
私って本当馬鹿だ。
「秀弥ね直孝君の事知ってるの」
「え?なんで?」
麗奈は冷静に話しをした。
昔、ヤンキーをやってた時に秀ちゃんの舎弟が直孝の兄ちゃんでお姉ちゃんの舎弟が直孝のお姉ちゃんだった。
四人はいつも仲良しでいつも一緒だった。
だけどそんな秀ちゃん達を憎んでた人がいてその人達が濡れ衣を着せて直孝の兄弟と秀ちゃんが捕まったと。
お姉ちゃん。
辛かったね。
でもね?
直孝はきっと違うってしんじてる。
直孝は嘘言えないから。
私はただ直孝を待つ事しか出来ないから。
私が泣き出した直後、病室のドアが勢いよく開いた。
そこにたっていたのは私が待っていた直孝の姿があった。
直孝は息を切らし何回か深呼吸をした後輝愛に話しかけた。
「どぉーして黙ってたの?俺じゃ頼りにならない?」
違うよ。
直孝、違うよ。
私はただ怖かった。
直孝の口から沙也加って女の人の事を聞くのが。
ただ怖かっただけ。
輝愛は首を横にふった。
直孝は秀ちゃんから全てを聞いたのか輝愛を優しく抱きしめた。
「辛かったな。ごめんな。輝愛、ごめん」
直孝が泣いている。
どぉーしたの?
どうして泣いているの?
直孝?
泣かないで。
泣いて欲しくないから。

