「ねぇ、りょー?」 俺の部屋でのんびり二人で過ごしていた時、 ふと服の裾をひかれ気づく。 「んー」 軽く視線を向けて返事をするともぞもぞと寄り添ってきた。 「何かほしいものとかある?」 「ない」 即答すると困ったように眉をひそめる由夏。 「ホント稜って物欲ないよねー」 「お互いさまじゃん」 「そうだけどー」とぶつぶつ言いながら唸る由夏。 俺と同様、もしくはそれ以上に由夏も物欲がない。