「そういえば裟癒…」 『んー、』 「“例の人”はどうなってんの」 『っっケホッ、』 「あ、ごめん」 亜里沙のその言葉に、思わず飲んでいたスポーツドリンクを噴きそうになった。 “例のあの人”っていうのは、私の片思いの相手で、1つ下で、学校も違う、黒北翔(クロキタ ショウ)のこと。 水泳スクールで同じになって、仲良くなって。 気づいたら好意が芽生えてたようなもの。 私が水泳スクールを辞めて以来…つまり、去年の夏以来、半年ほどあってない。