『そんなの教えるわけないじゃない』 誰がなんと言おうと、こいつにだけは教えたくない。 からかわれるに決まってる。 昔のままだったら、可愛かったのに。 恋の話するだけで顔赤くして、恥ずかしがってたのが嘘のようだ。 そのカケラが、ひとつも見当たらない。 「っそ、ならいいけど」 そう言って私を見つめるのをやめ、真樹さんに頼んでいた2杯目の珈琲を口にする叶多。