「鈴鹿、もし『いいよ』っていわれたらどうしてたの?」


「え?」


あの悪魔ラブレターの事を言っているのだろうか。

机に頬づえをつきながらのぞき込むように渡辺が訪ねる。

薄い唇が妙にエロ臭い。



「だから『付き合ってあげましょう』っていわれたらどうしたの?…まぁ、ないだろうけどさ。」


「うるさいよそこ!」


失礼な事をさらっという渡辺にひなは声を荒げる。


「まぁそもそも鈴鹿にはそんな度胸ないよね。てかまずOKだす変わり者なんていないんだったね。」


「そっそんなことないしっ!絶対、たぶん、いるしっ!」

と、口に出しつつも、連続3回も(不可抗力で)振られているひなは自信喪失中である。

先輩を好きになって、せめて外見だけでも可愛くなりたいと伸ばし続けた黒髪を触りつつ、やっぱりこんな自分には似合ってなかったかな…と軽く落ち込んだ。


そんな心境を知ってか知らずか、渡辺にしては珍しく、しつこく先ほどからの質問をぶつける。