その言葉の意味が分からなくて首を傾げる俺。 「“いく”って何処へ?」 そう聞いた時には 母さんは俺から離れて台所に行っていた。 ……もしかして 父さんの所へ行くのかな? そしたら、 また3人で居られるのかな? 1人だけ そんな淡い期待をしていた俺は どこまでも馬鹿で 何も知らなすぎたんだ…… 俺の元へ戻ってきた母さんの手に握られたモノ。 「ほぅ…ちょー?」 ――――なんで包丁?