仮縫いコーデ







「君たち別れらんないな?」










笑うカメラマンに元気よく頷いた。





だって、フラワーアーチを背景に花嫁をお姫さま抱っこした花婿っていうカップル写真が、

卒業アルバムに載っちゃうんだ。



そう、一生残る。
皆の記憶に寄生する。

こんなアホな恋人たちが自分たちの学校に居た、と。
こんなバカな恋人たちが居る学校が自分たちの高校時代だった、と。



夢だった。
これぞ青春、
カメラマンは俺たちの味方だ。




「先輩なにやってんすかー! 頭大丈夫っすかー?」
「やばい気持ち悪い人が居るー!! 写メ写メ」
「皆のアルバムなんだよーなに自分らだけ私物化してんのー」
「つーか片付け手伝えや、堂々サボるか普通!」
「団体行動乱してるのは誰かなぁー?」


一年、二年、同級生、男子に女子に、先生に、

中庭で記念撮影会開いてる俺らは、窓から身を乗り出す野次馬たちにバッシングを喰らうが、

それが愛だと分かってる。





「嫉妬されてるね?」

ギャラリーたちにレンズを向け、いたずらにカメラマンがフラッシュをたいた。

この大人、なかなか空気が読めるなと尊敬したのは秘密だ。