「おぬしの姿を見た」

 諦めるつもりのない青年に渋々重い口を開く。

「邪悪な炎に身を焼かれるおぬしの姿が見えたのだ」

 それは、怒りに膨れあがった闇の意思。

 黒い深淵に投げ込まれたおぬしは、なすすべもなく傷つけられていく。

 その言葉にシレアは怪訝な表情を浮かべた。ユラウスは、青年の表情に当然の反応だと先を続ける。

「強大な力の前に、おぬしと仲間たちは水面に浮かぶ木の葉のごとき儚(はかな)さで、ことごとく打ち倒されるのだ」

「仲間?」

「仲間かどうかは定かではなかったが。久しく見なかった道の先が鮮明に描かれた」

 その口振りから、夢でも絵空事でもなさそうだ。

 にわかには信じがたいが、まったくの嘘とも思えない。

 しかし──