「ふつう六人と小さいドラゴン一匹にこんなに数もってくる!?」

[ちびで悪かったの]

「ぜったい無理よこれ!」

 短剣を手に攻撃をかわしながらモルシャは声を上げた。

「ぬう、進退窮(しんたいきわ)まるか」

 苦々しく奥歯を噛みしめ、迫り来る怒濤のごときモンスターどもを眼光鋭く睨み付けた。

 気力が持ちそうも無いと諦めかけたそのとき──

 ユラウスの背後からモンスターのどよめきが起こり、眉を寄せて振り返る。

「あれは、人間か?」

 アレサが目を細める。

 どこから現れたのか、手に手に武器を携えた数十人ほどの人間がオークどもと戦っていた。

「これは一体、どうしたことじゃ?」

 続々と現れる兵士たちは、同じ方向からこちらに向かってくる。

 確かあちらにはポータルがあった。