夜、晴れていれば星の位置を見て進むことが出来るだろう。

 地図というものは、人間が歩んできた歴史を脈々と受け継いできたものだ。

 先駆者たちが刻んだ足跡、それに続く者たちが新たな情報を加え、あるいは書き換えて地図の隙間を埋めていく。

 ある程度の情報を持つまでとなった地図は数多く複製されて、多くの旅人の助けとなっている。

 それぞれが手にした地図には、手にした者の痕跡がまた刻まれていくのだ。

 歩きながらカルクカンに出会えるだろうかと考えていた矢先、空はみるみると暗くなり雪が降り始めた。

 風は強さを増し、吹雪が再びシレアに立ちはだかる。