本来なら、行った事のある者にしか使えない転送の魔法だが、シレアとユラウス、そしてアレサの三人が同調することにより、なんとか可能となる。

 古の民がいることも少なからず助けにはなっているだろう。

 それでも、かなりの体力は消耗するが大陸間を渡ることを考えれば仕方がない。

「いってらっしゃい、モルシャ」

「ちょっと行ってぶっちめてくるから」

 ウインクしたあと、一同はゆっくりと消えていった。

「どうか、無事で──」

 モルシャは強い。

 だけど、無茶をすることがあるから、どうか。

 どうか、彼女を護ってください。