「行き先は?」

 ユラウスが尋ねる。

「私のいた村で構わないか」

 シレアの言葉に一同は怪訝な表情を浮かべた。

「村に魔法円があるのですか?」

 町ならまだ解るが、集落にあるのは珍しい。

 それほど魔法が盛んな村なのだろうか?

「旅に出る前に私が描いておいた」

 なるほどちゃっかりしているなと感心する。

「長老に会っておきたい」

「ぬしを拾ってきたという?」

「何か聞き出せるかもしれない」

 それにみんなは賛成し、魔法円に入る。

 思っていたよりも大きめの転送魔法円(ポータル)とはいえ、馬二頭にスワンプドラゴン一匹というのは、なかなかに窮屈だ。