「解ってイるだろう! 休戦協定を結んでイるとはイえ、知られればまた争いが──」

「互いにそう思っているのか」

 そこで二人はハッとした。

 再び争い合うことを恐れ、どちらも敬遠し距離をとってきた。

 ガビアリアンたちは干ばつのあと、過去の行いを反芻し、それを強く恥じた。

「ならば、仲良くもなれるのではないか?」

「人間なドに解るものカ!」

 自分たちがどれだけ酷いことをしてきたのか、どれだけ彼らを恐れさせていたか。

 それを思えば、「仲良くしよう」などと簡単には言えるものではない。

「そうでもないだろう」

 しれっとした物言いに二人は互いに見合う。

 思えば、人間も多くの争いをしてきた。

 大半は人間同士ではあるものの、現在ではそれも落ち着いている。